2008/07

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2005/09/23 (Fri) 君がいなくなった日。。。(10)
(10)時は流れる

あの日から8年が経とうとしている。。。

未だにS見の墓参りはしていない。
こちらから連絡を取り付けようと思ったが、出来なかった。

"もう顔も見たくない相手に違いない。"
"僕の顔を見ることで、あの日のことを思い出させてしまうかもしれない。"
そう考えると、何も出来なかった。

考え過ぎかもしれない。
ただの言い訳かもしれない。

何を考え、行動しても、僕が許されることはないのだ。。。

毎年、S見の命日が近づくと事故現場へ行っている。
S見が好きだった缶コーヒーとタバコを供えに。

これもただの自己満足でしかないのかもしれない。。。

それでも時は流れる。

あの事故を皆はどう感じて生きているのだろう?
僕はこれからどう生きていけばいいのだろう?

S見は僕を恨んで死んでいったのだろうか?
S見は僕を許してくれるのだろうか?

答えは一生分からないのかもしれない。。。

でも、これだけは言える。

"S見は確かに生きていた!"

今でも鮮明に思い出せる。
ほんの僅かな時間であったが、S見が僕の心に残していったもの。
これからも思い出す。これからも生き続ける。

喜びと悲しみはいつも隣り合わせだ。
わかちあう喜びが大きい分だけ、悲しみも大きい。。。

S見とはそれだけの付き合いをしたのだ。
悲しいのはきっとそのせいなのだ!

今年で8回目。
また事故現場へ行く。
S見が好きだった缶コーヒーとタバコを供えに。。。


君がいなくなった日。。。完
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

最後まで読んでくださった方!

あんたわらい!(笑)

。。。え?誰も読んでないって??。。。Orz

ま〜ま〜ま〜、
かなり暗い内容でほんと申し訳ないっす!
でも全部ホントのことです。いわゆるノンフィクション!

実わブログ始めたときからこの内容を文章にしようと思ってました。
文章にすることで、一回自分を見つめ直そうかなと。
あと、おいらの体験を皆さんにお話することでいろいろ考えてもらいたかったし、いろいろ聞いてみたかったし。。。

人の運命は誰にも分かりません。
突然いろんな出来事がやって来ます。

あらかじめ心の準備を。。。なんて暇はありません。
何事も、後から受け止めることが多いと思います。

だからこそ、"今"を大切にしたいです!
いつも言ってますが、
"今でわ昔でも、昔では今"って〜ことです!!

先のこと考え過ぎてもしょんないぢゃ〜ん、みたいな。。。(笑)
良くも悪くも、"あの時の自分は精一杯やったんだ"と思い返せるような。。。

そして、人とのつながりを大切にしてください!

でわでわ♪

※最近かな〜り脱線中ですが、このブログは"年中ボード化計画"(SK8、SURF、SNOWBOAD等)がメインです。。。あしからず(笑)

2005/09/22 (Thu) 君がいなくなった日。。。(9)
(9)伝えるべき相手

それから半年が過ぎた。。。

僕は進学で静岡から浜松へ行くため、アルバイト先の"C"を卒業しなければならなかった。

S見がいなくなって、いろいろ考えることが多い半年間だった。
かと言って、常にそればかり考えているわけでもなかった。
忙しい自分を演じていた。気を紛らわそうと、無意識ではあるがそうしていたように思う。

新しい出会いもあった。
S見を知らない人とも、数々の思い出を残していった。。。

「時間が解決してくれるよ。。。」

S見が死んだ次の日に、"C"のK藤さんが僕に言ってくれた言葉。

「忘れることなんてできません。。。S見のことは死んでも忘れません。。。」

僕はこう答えていた。

それはいつしか、忘れていってしまうものなのだろうか。。。

葬儀後、S見が生まれ故郷の名古屋に帰って数日後、S見の父親が荷物を取りに寮へやって来た。
僕はそれに合わせるように、S見の静岡での生活、僕達と過ごした思い出を手紙に記して渡した。父親が望むかどうかは別として。

「本当にお世話になったね。Kがよく君達の話をしててね。。。」

結局、最後まで僕達を責めることはなかった。むしろ"ありがとう"と。

もし自分がS見の親だったら、こんな風に思えるのだろうか。
我が子が不慮の事故で死んでしまったら。。。

恨んで欲しかった。罵って欲しかった。
それで少しでもつらい気持ちが治まるのならば。。。

その後、S見の墓参りがしたいと連絡をするが、まだ墓ができていないという理由で断られた。
それ以来、こちらからも向こうからも連絡を取ることはなかった。。。

すでに浜松でのアパートも決まり、静岡での生活も残りわずかだった。

"C"の皆が僕の送別会を計画してくれた。
いつも送る側だったのと、ここまで続いたアルバイトはこれまでなかったので、なんか不思議な気分だった。
一緒にK村さんも卒業することになっていた。学業に専念したいとの理由だった。

僕はK村さんに対して、あの日以来、墓参りの問い合わせを除いてS見の件には一切触れなかった。
まるで何事もなかったかのように接していた。。。

"最愛の先輩を傷つけ、最愛の後輩を殺めてしまった。。。"

K村さんのバイクと接触して、S見はこの世からいなくなった。。。
すべては僕のせいだった。
あの日、ツーリングを計画したのもK村さんを誘ったのも僕だった。
ずっとこのことが頭から離れなかった。

この日、僕はK村さんに伝えなければならないと思っていた。
"K村さんにつらい思いをさせてしまったのは僕だ"と。

送別会が終わった後、帰りの車でその想いを伝えた。。。

「僕には謝らなくいい。。。君が責任を感じなきゃいけない相手は他にいるだろ?申し訳ないと思う気持ちを伝えなくちゃいけない相手が。。。」

K村さんは泣いていた。僕はただただ、謝り続けていた。
春の夜風が身にしみる、3月終わりのことだった。。。


→君がいなくなった日。。。(10)最終話につづく。

2005/09/21 (Wed) 君がいなくなった日。。。(8)
(8)本音

「Kはすぐ調子に乗る性格だから。。。あれ程注意したのに聞かないもんだから。。。」

S見の父親の一言。

僕にはあまりにも意外だった。
殴られても仕方ないと思っていた。
なのに。。。

「ごめんなさい。本当に申し訳ございません。。。」

僕達に言える言葉はこれしかなかった。
これしか思い浮かばなかった。。。

「できれば、たくさんの友達に見送ってもらいたいし。。。ちょうど静岡に知り合いの葬儀屋さんがいるから、明日にでもこちらで葬儀を挙げたいんだけど協力してもらえないだろうか?」

「今夜はKと一緒に過ごすことにするよ。。。よかったら君達も顔を見せてあげてくれないか?Kもきっと喜ぶだろう。。。」

S見を葬儀場へ運んだ後また合流するという約束を交わして、僕達は一旦寮へ帰ることにした。

僕は片道5kmはあるであろう帰路を歩いていた。
今までのこと、事故のこと、これからのこと。。。
頭が破裂しそうだった。胸が張り裂けそうだった。

店長に借りていたバイクを取りに、事故現場にたどり着いた。
傷だらけなS見のバイクとK村さんのバイクが、夢でないことを訴えかけていた。

空はいつの間にか晴れ渡っていた。。。

寮に着き"C"に電話した。

「そうか。。。今日の仕事はいいから、S見ちゃんのそばにいてやりな。。。しっかりな。。。」

K藤さんの言葉が、この時の僕にはとても頼りになった。
誰かにすがりたかった。涙が止まらなかった。

寮では皆がS見のために、明日の葬儀の連絡を取り付けてくれていた。
僕はただの抜け殻だった。情けないと思いつつも体が動かなかった。

そして夜。。。

僕達3人はS見のいる葬儀場へ足を運んだ。

「来てくれてありがとう。。。Kも喜んでくれると思う。。。」

初めてS見の父親が泣いた。それでも僕達を責める言葉はなかった。
そこで事故後、初めてS見と対面した。

「S見、S見〜!。。。」

S見は棺桶の中で笑っていた。とても綺麗な顔をしていた。
死んでいるなんて思えなかった。

その時、僕はS見が救急車に乗る前に見せたあの脈を思い出した。
最後に僕だけに見せた生きてる証を。。。

「おまえは負けず嫌いだった。。。俺に対してはいつもそうだった。
"Yさんに負けてたまるか!"って。
"C"での仕事でもそれ以外でも、いい意味で俺とおまえはライバルだったよな?
だから、俺に対しては最後まで意地を張り通したんじゃないのか?
S見、何とか言えよ!」

心の中で、言葉が溢れ出していた。
どれだけの涙を流せば、この気持ちは治まるのだろう?
僕はずっと、S見の顔を見続けていた。。。

翌朝、葬儀当日。。。

僕達は友人代表で参列した。
昨日の今日で、あまりにも急だったわりに多くの人がS見を見送りに来ていた。

皆が涙を流していた。

でも僕は一滴の涙も出なかった。
昨日で枯れてしまったのだろうか?

悲しくない訳がなかった。
自分に起きてる出来事のひとつひとつが夢のようだった。。。

そして、葬儀が終わった直後だった。
一人の老人が僕に近づいてきてこう言った。

「先頭を走っていたのは君らしいじゃないか!君が先頭を走っていなかったらS見君はこんなことになっていなかった!君のせいでS見君は死んでしまったんじゃないのかね?!」

返す言葉がなかった。。。
本来、S見の父親から聞くべき言葉だった。
なぜS見の父親は僕を責めないのだろう?
なぜ優しい言葉をかけるのだろう?

殴られた方がよっぽど楽だった。
何を言われようと、何をされようと、僕は受け入れなければならない義務があるはずだった。

S見を殺したのは僕だから。。。

この老人の一言が、S見を失った親族の本音に違いなかった。
僕はそう思っていた。。。


→君がいなくなった日。。。(9)につづく。

2005/09/20 (Tue) 君がいなくなった日。。。(7)
(7)君がいなくなった日

僕はひたすら祈り続けた。
S見の靴をただただ握り締めていた。。。

体の震えが止まらなかった。
車内の静寂さと、包まれた感覚がそれに拍車をかけた。
救急隊員の声が遠く感じられた。

しばらくして、ストレッチャーに乗せられていたS見に心臓マッサージが施された。

その時、目の前に起こっている出来事から僕は目を背けた。
何が起きているのか、把握しようとできなかった。

僕が触れた時、確かにS見の脈を感じ取っていた。
だから、絶対に大丈夫なはずだと信じていた。
信じたかった。。。

S見と僕を乗せた救急車が病院へ着いた。

S見は集中治療室へ搬送された。
僕は親族ではないため、救急入り口すぐのベンチで待つしかなかった。

病院の中は暗かった。僕は一人だった。
いろんなことが頭をよぎった。
そして自分を責め続けた。

先頭を走っていなければ。
S見にもっと気を配ってあげていたら。
K村さんを誘っていなければ。
そもそもツーリングを計画していなければ。。。

何時間待っただろう?
気付いた頃には、K村さん、O崎、寮に戻っていたTもつが病院にやって来ていた。

「S見は?!」
「今、集中治療室。。。」

それと同時に看護婦が僕達のもとに駆け寄ってきた。

「どなたか、S見さんの親族の方の連絡先が分かる方いらっしゃいますか?!」
「S見は、S見は今どうなってるんですか?!」
「親族の方以外には教えられないことになってますので。。。」

S見の親族を呼ばなければならないほど重症なのか?!

僕達はそれから一切口を開くことはなかった。
それぞれがそれぞれの想いを抱きながら、ただ時だけが過ぎていった。

そして。。。

ついにS見の親族がやって来た。
看護婦に案内されて集中治療室へ入っていった。

それでも僕はS見の無事を信じ続けていた。

さらに時は過ぎ、もう外が薄っすら明るくなってきた頃だった。。。

夜明けを待っていたかのように、集中治療室前が慌しくなった。

程なくして、S見の父親が僕達のもとへ近づいてきた。

「K(S見)は最後まで頑張った。。。頑張ったけど、もうこれ以上は無理だったみたいだ。。。」

それまで放すことのなかったS見の靴が床に落ちていた。
そして、泣き崩れる3人を横切るように病院の外へ。。。

見上げた空はぼやけていた。
目から熱い物がこぼれ落ちていた。

晴れていたはずの空から大粒の雨が降りてきた。
空も一緒に泣いていた。。。


→君がいなくなった日。。。(8)につづく。

2005/09/19 (Mon) 君がいなくなった日。。。(6)
(6)衝撃

日本平の天辺で、僕らはいろいろ語り合った。
寮のこと、学校でのこと、そしてこれからのこと。。。

もう秋になったと思わせる、星がきれいな夜だった。

「そろそろ行くか!」

僕の一言で日本平を後にした。
そして事件は起こった。。。

静岡側から下りて、K村さん宅を目指した。
Tもつはそのまま寮へ帰ったため、K村さんとS見とO崎、先頭を僕が走った。
信号を曲がり、見通しのよい直線を走っているときだった。
いつも通っているはずの道だった。

「ガシャーン!!」

後ろでとてつもなく大きな音がした。
その音に呼び止められるように僕は後ろを振り返った。

その瞬間、衝撃が走った。
1台のバイクが横になって火花を上げながら近づいて来ていた。
とてもゆっくりだった。まるでコマ送りのビデオを見ているかの如く。
少なくとも僕にはそう見えた。。。

「うそ。。。」

僕はバイクを止め、無意識のうちにそう呟いていた。
状況を把握していないにも関わらず、何か悪いことが起きるような嫌な予感を抱きながら。

転がって来ていたのはS見のバイクだった。
K村さんがバイクと共に横へ流れたのが分かったため、僕は真っ先にそちらへ向かった。

「K村さん!K村さん大丈夫?!」
「うん、ちょっと足擦りむいちゃっただけだ。。。」

間髪入れず、S見がいるであろう方向に目をやった。
しかしS見がいない!
どこだ?どこだ?と辺りを見回した。
すると道路に面した街路樹に向かって、O崎が座り込んでいるのが目に入ってきた。

「Yさん!S見が、S見が〜!!」

O崎が、心ここにあらずといった力のない声で僕に言ってきた。
そこにはうずくまったS見の姿があった。そして何故かヘルメットをかぶっていなかった。
S見のヘルメットは、道路を挟んで向かいにあるカラオケ屋の入り口まで吹き飛んでいたのだ。

「おいS見!S見〜!」

まるで眠っているようだった。
僕達の呼びかけに全く反応しなかった。

うつ伏せ状態だったS見を起した。
顔に若干の擦り傷があるだけで、その他は特に外傷は認められなかった。

でも返事をしない。。。

「救急車、救急車!誰か救急車!」

幸か不幸か、その街路樹の手前はコンビニだった。
そして、たまたまそこに居合わせた夜勤帰りの看護婦さんが救急車を呼んでくれていた。

「いじっちゃダメ!そのままの体勢で!!救急車は私が呼んでおいたから。。。」

その女性はS見のもとへやって来て脈を測り出した。
つられるようにして、僕もS見の腕を取った。

トク。。。トク。。。トク。。。

この時、僕は間違いなくS見の脈を指先から感じ取った。S見の生きている証を。。。

この女性の一言で、僕達は冷静さを取り戻した。
O崎が警察に連絡し、K村さんはバイクを道路脇へ移動させた。
そして僕はS見の側についた。

「早く来いよ!頼むから!!」

僕はまわりを省みず叫んでいた。
救急車が来るのが異常に遅く感じられた。
焦りと不安で押しつぶされそうだった。

"S見頑張ってくれ、お願いだから頑張ってくれ!"
心の中でそう呟きながら。。。

救急車のサイレンが近づいてきた。
僕達にとって、到着するまでの時間はあまりにも長かった。

「ここは俺らにまかせて、Y君はS見について行ってやりな!」

K村さんがそう言いながら、S見の脱ぎ捨てられた靴を僕に渡した。

僕とS見は病院へと向かうのであった。。。


→君がいなくなった日。。。(7)につづく。