(6)衝撃
日本平の天辺で、僕らはいろいろ語り合った。
寮のこと、学校でのこと、そしてこれからのこと。。。
もう秋になったと思わせる、星がきれいな夜だった。
「そろそろ行くか!」
僕の一言で日本平を後にした。
そして事件は起こった。。。
静岡側から下りて、K村さん宅を目指した。
Tもつはそのまま寮へ帰ったため、K村さんとS見とO崎、先頭を僕が走った。
信号を曲がり、見通しのよい直線を走っているときだった。
いつも通っているはずの道だった。
「ガシャーン!!」
後ろでとてつもなく大きな音がした。
その音に呼び止められるように僕は後ろを振り返った。
その瞬間、衝撃が走った。
1台のバイクが横になって火花を上げながら近づいて来ていた。
とてもゆっくりだった。まるでコマ送りのビデオを見ているかの如く。
少なくとも僕にはそう見えた。。。
「うそ。。。」
僕はバイクを止め、無意識のうちにそう呟いていた。
状況を把握していないにも関わらず、何か悪いことが起きるような嫌な予感を抱きながら。
転がって来ていたのはS見のバイクだった。
K村さんがバイクと共に横へ流れたのが分かったため、僕は真っ先にそちらへ向かった。
「K村さん!K村さん大丈夫?!」
「うん、ちょっと足擦りむいちゃっただけだ。。。」
間髪入れず、S見がいるであろう方向に目をやった。
しかしS見がいない!
どこだ?どこだ?と辺りを見回した。
すると道路に面した街路樹に向かって、O崎が座り込んでいるのが目に入ってきた。
「Yさん!S見が、S見が〜!!」
O崎が、心ここにあらずといった力のない声で僕に言ってきた。
そこにはうずくまったS見の姿があった。そして何故かヘルメットをかぶっていなかった。
S見のヘルメットは、道路を挟んで向かいにあるカラオケ屋の入り口まで吹き飛んでいたのだ。
「おいS見!S見〜!」
まるで眠っているようだった。
僕達の呼びかけに全く反応しなかった。
うつ伏せ状態だったS見を起した。
顔に若干の擦り傷があるだけで、その他は特に外傷は認められなかった。
でも返事をしない。。。
「救急車、救急車!誰か救急車!」
幸か不幸か、その街路樹の手前はコンビニだった。
そして、たまたまそこに居合わせた夜勤帰りの看護婦さんが救急車を呼んでくれていた。
「いじっちゃダメ!そのままの体勢で!!救急車は私が呼んでおいたから。。。」
その女性はS見のもとへやって来て脈を測り出した。
つられるようにして、僕もS見の腕を取った。
トク。。。トク。。。トク。。。
この時、僕は間違いなくS見の脈を指先から感じ取った。S見の生きている証を。。。
この女性の一言で、僕達は冷静さを取り戻した。
O崎が警察に連絡し、K村さんはバイクを道路脇へ移動させた。
そして僕はS見の側についた。
「早く来いよ!頼むから!!」
僕はまわりを省みず叫んでいた。
救急車が来るのが異常に遅く感じられた。
焦りと不安で押しつぶされそうだった。
"S見頑張ってくれ、お願いだから頑張ってくれ!"
心の中でそう呟きながら。。。
救急車のサイレンが近づいてきた。
僕達にとって、到着するまでの時間はあまりにも長かった。
「ここは俺らにまかせて、Y君はS見について行ってやりな!」
K村さんがそう言いながら、S見の脱ぎ捨てられた靴を僕に渡した。
僕とS見は病院へと向かうのであった。。。
→君がいなくなった日。。。(7)につづく。
日本平の天辺で、僕らはいろいろ語り合った。
寮のこと、学校でのこと、そしてこれからのこと。。。
もう秋になったと思わせる、星がきれいな夜だった。
「そろそろ行くか!」
僕の一言で日本平を後にした。
そして事件は起こった。。。
静岡側から下りて、K村さん宅を目指した。
Tもつはそのまま寮へ帰ったため、K村さんとS見とO崎、先頭を僕が走った。
信号を曲がり、見通しのよい直線を走っているときだった。
いつも通っているはずの道だった。
「ガシャーン!!」
後ろでとてつもなく大きな音がした。
その音に呼び止められるように僕は後ろを振り返った。
その瞬間、衝撃が走った。
1台のバイクが横になって火花を上げながら近づいて来ていた。
とてもゆっくりだった。まるでコマ送りのビデオを見ているかの如く。
少なくとも僕にはそう見えた。。。
「うそ。。。」
僕はバイクを止め、無意識のうちにそう呟いていた。
状況を把握していないにも関わらず、何か悪いことが起きるような嫌な予感を抱きながら。
転がって来ていたのはS見のバイクだった。
K村さんがバイクと共に横へ流れたのが分かったため、僕は真っ先にそちらへ向かった。
「K村さん!K村さん大丈夫?!」
「うん、ちょっと足擦りむいちゃっただけだ。。。」
間髪入れず、S見がいるであろう方向に目をやった。
しかしS見がいない!
どこだ?どこだ?と辺りを見回した。
すると道路に面した街路樹に向かって、O崎が座り込んでいるのが目に入ってきた。
「Yさん!S見が、S見が〜!!」
O崎が、心ここにあらずといった力のない声で僕に言ってきた。
そこにはうずくまったS見の姿があった。そして何故かヘルメットをかぶっていなかった。
S見のヘルメットは、道路を挟んで向かいにあるカラオケ屋の入り口まで吹き飛んでいたのだ。
「おいS見!S見〜!」
まるで眠っているようだった。
僕達の呼びかけに全く反応しなかった。
うつ伏せ状態だったS見を起した。
顔に若干の擦り傷があるだけで、その他は特に外傷は認められなかった。
でも返事をしない。。。
「救急車、救急車!誰か救急車!」
幸か不幸か、その街路樹の手前はコンビニだった。
そして、たまたまそこに居合わせた夜勤帰りの看護婦さんが救急車を呼んでくれていた。
「いじっちゃダメ!そのままの体勢で!!救急車は私が呼んでおいたから。。。」
その女性はS見のもとへやって来て脈を測り出した。
つられるようにして、僕もS見の腕を取った。
トク。。。トク。。。トク。。。
この時、僕は間違いなくS見の脈を指先から感じ取った。S見の生きている証を。。。
この女性の一言で、僕達は冷静さを取り戻した。
O崎が警察に連絡し、K村さんはバイクを道路脇へ移動させた。
そして僕はS見の側についた。
「早く来いよ!頼むから!!」
僕はまわりを省みず叫んでいた。
救急車が来るのが異常に遅く感じられた。
焦りと不安で押しつぶされそうだった。
"S見頑張ってくれ、お願いだから頑張ってくれ!"
心の中でそう呟きながら。。。
救急車のサイレンが近づいてきた。
僕達にとって、到着するまでの時間はあまりにも長かった。
「ここは俺らにまかせて、Y君はS見について行ってやりな!」
K村さんがそう言いながら、S見の脱ぎ捨てられた靴を僕に渡した。
僕とS見は病院へと向かうのであった。。。
→君がいなくなった日。。。(7)につづく。











