(9)伝えるべき相手
それから半年が過ぎた。。。
僕は進学で静岡から浜松へ行くため、アルバイト先の"C"を卒業しなければならなかった。
S見がいなくなって、いろいろ考えることが多い半年間だった。
かと言って、常にそればかり考えているわけでもなかった。
忙しい自分を演じていた。気を紛らわそうと、無意識ではあるがそうしていたように思う。
新しい出会いもあった。
S見を知らない人とも、数々の思い出を残していった。。。
「時間が解決してくれるよ。。。」
S見が死んだ次の日に、"C"のK藤さんが僕に言ってくれた言葉。
「忘れることなんてできません。。。S見のことは死んでも忘れません。。。」
僕はこう答えていた。
それはいつしか、忘れていってしまうものなのだろうか。。。
葬儀後、S見が生まれ故郷の名古屋に帰って数日後、S見の父親が荷物を取りに寮へやって来た。
僕はそれに合わせるように、S見の静岡での生活、僕達と過ごした思い出を手紙に記して渡した。父親が望むかどうかは別として。
「本当にお世話になったね。Kがよく君達の話をしててね。。。」
結局、最後まで僕達を責めることはなかった。むしろ"ありがとう"と。
もし自分がS見の親だったら、こんな風に思えるのだろうか。
我が子が不慮の事故で死んでしまったら。。。
恨んで欲しかった。罵って欲しかった。
それで少しでもつらい気持ちが治まるのならば。。。
その後、S見の墓参りがしたいと連絡をするが、まだ墓ができていないという理由で断られた。
それ以来、こちらからも向こうからも連絡を取ることはなかった。。。
すでに浜松でのアパートも決まり、静岡での生活も残りわずかだった。
"C"の皆が僕の送別会を計画してくれた。
いつも送る側だったのと、ここまで続いたアルバイトはこれまでなかったので、なんか不思議な気分だった。
一緒にK村さんも卒業することになっていた。学業に専念したいとの理由だった。
僕はK村さんに対して、あの日以来、墓参りの問い合わせを除いてS見の件には一切触れなかった。
まるで何事もなかったかのように接していた。。。
"最愛の先輩を傷つけ、最愛の後輩を殺めてしまった。。。"
K村さんのバイクと接触して、S見はこの世からいなくなった。。。
すべては僕のせいだった。
あの日、ツーリングを計画したのもK村さんを誘ったのも僕だった。
ずっとこのことが頭から離れなかった。
この日、僕はK村さんに伝えなければならないと思っていた。
"K村さんにつらい思いをさせてしまったのは僕だ"と。
送別会が終わった後、帰りの車でその想いを伝えた。。。
「僕には謝らなくいい。。。君が責任を感じなきゃいけない相手は他にいるだろ?申し訳ないと思う気持ちを伝えなくちゃいけない相手が。。。」
K村さんは泣いていた。僕はただただ、謝り続けていた。
春の夜風が身にしみる、3月終わりのことだった。。。
→君がいなくなった日。。。(10)最終話につづく。
それから半年が過ぎた。。。
僕は進学で静岡から浜松へ行くため、アルバイト先の"C"を卒業しなければならなかった。
S見がいなくなって、いろいろ考えることが多い半年間だった。
かと言って、常にそればかり考えているわけでもなかった。
忙しい自分を演じていた。気を紛らわそうと、無意識ではあるがそうしていたように思う。
新しい出会いもあった。
S見を知らない人とも、数々の思い出を残していった。。。
「時間が解決してくれるよ。。。」
S見が死んだ次の日に、"C"のK藤さんが僕に言ってくれた言葉。
「忘れることなんてできません。。。S見のことは死んでも忘れません。。。」
僕はこう答えていた。
それはいつしか、忘れていってしまうものなのだろうか。。。
葬儀後、S見が生まれ故郷の名古屋に帰って数日後、S見の父親が荷物を取りに寮へやって来た。
僕はそれに合わせるように、S見の静岡での生活、僕達と過ごした思い出を手紙に記して渡した。父親が望むかどうかは別として。
「本当にお世話になったね。Kがよく君達の話をしててね。。。」
結局、最後まで僕達を責めることはなかった。むしろ"ありがとう"と。
もし自分がS見の親だったら、こんな風に思えるのだろうか。
我が子が不慮の事故で死んでしまったら。。。
恨んで欲しかった。罵って欲しかった。
それで少しでもつらい気持ちが治まるのならば。。。
その後、S見の墓参りがしたいと連絡をするが、まだ墓ができていないという理由で断られた。
それ以来、こちらからも向こうからも連絡を取ることはなかった。。。
すでに浜松でのアパートも決まり、静岡での生活も残りわずかだった。
"C"の皆が僕の送別会を計画してくれた。
いつも送る側だったのと、ここまで続いたアルバイトはこれまでなかったので、なんか不思議な気分だった。
一緒にK村さんも卒業することになっていた。学業に専念したいとの理由だった。
僕はK村さんに対して、あの日以来、墓参りの問い合わせを除いてS見の件には一切触れなかった。
まるで何事もなかったかのように接していた。。。
"最愛の先輩を傷つけ、最愛の後輩を殺めてしまった。。。"
K村さんのバイクと接触して、S見はこの世からいなくなった。。。
すべては僕のせいだった。
あの日、ツーリングを計画したのもK村さんを誘ったのも僕だった。
ずっとこのことが頭から離れなかった。
この日、僕はK村さんに伝えなければならないと思っていた。
"K村さんにつらい思いをさせてしまったのは僕だ"と。
送別会が終わった後、帰りの車でその想いを伝えた。。。
「僕には謝らなくいい。。。君が責任を感じなきゃいけない相手は他にいるだろ?申し訳ないと思う気持ちを伝えなくちゃいけない相手が。。。」
K村さんは泣いていた。僕はただただ、謝り続けていた。
春の夜風が身にしみる、3月終わりのことだった。。。
→君がいなくなった日。。。(10)最終話につづく。











